世界をのんびりと旅して、その記録を残したい。そう考え始めたのはいつのことだったろう。
初めての海外旅行は大学生時代のインド。当時はまだぎりぎりスマートホンもなく、3週間の旅の間は毎日紙のノートに日記を付けていた。卒業し就職した後も年に1-2回は海外旅行をしていたが、いつのまにか記録をつけるのをやめてしまった。
これまでの全ての旅で、辿った旅程やクライマックスとなるような風景は今でも鮮明に覚えている。だが、食べたものやふと通り過ぎた小道など旅の日常の光景は忘れてしまったものの方が多い。そして、ふとした時に思い出して旅情や懐かしさを感じるのはそんなありふれたシーンだったりする。
といっても僕自身は特に教養やスキルがあるわけではなく、旅自体も誰でもできる普通のものだ。当然、この記録も自分以外の人にとってはありふれた旅行記の一つだろう。Blogの体裁を取ったのは多少でも外部の目を意識することで、自分の体験や思考を言語化する動機にしたいというだけだ (そうしないとまた記録をつけるのをやめてしまうだろう)。
だが、自分が今後歳をとって自由に動けなくなった後でも、この記録を眺めることでこの旅を繰り返し追体験できるのではないだろうか。
元々の旅の予定は1〜2年。コロナが収束したらすぐに旅立とうかと思っていた。しかし、旅に出られない間に旅行記やガイドブックなんかを調べるにつれ、行きたいところは徐々に増えていく。ともなって、旅程に必要な期間も3年、5年、10年と伸びていった。
10年も旅をするとなると、帰国後に今の生活に戻るのは不可能だろう。少なくとも金銭面ではそれなりの準備が必要だ。一方、年齢はすでに40歳を過ぎており、残された時間は長くはない。
もろもろ考えた結果、出発予定は来年2025年とした。出発まではまだかなり期間はあるが、少しずつ準備を始めているのでその過程も記録に残しておきたい。
旅行自体はもちろん、準備も含めた旅にまつわる全てが、10年後20年後の自分にとってかけがえのない思い出になっているはずだから。